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■ 将来の治療のための現在の治療選択に関して [掲載日]2010-12-26 09:31:34
    From:chiko 様 [回答者]kaito
右の卵巣が子宮内膜症性卵巣のう胞(4センチ)、左卵巣が子宮癒着、子宮後屈、またクラミジア既往により、大学病院で不妊であろうと宣告を受けたものです。現在、独身です。このような状況の中、少しでも現状を悪化させぬために何か方法が考えられませんでしょうか。大学病院では、ピルを処方され服用中です。卵子凍結など、もし先生が不妊治療の見地より、今してはいけないこと、いいことなどございましたら大変申し訳ないのですが教えていただければ幸甚です。

回答:
子宮内膜症やクラミジアによる癒着を心配しておられるのでしょうか。
これらが原因の卵管性不妊症を指摘されているのであれば、妊娠するには体外受精が一番の治療法です。子宮内膜症性不妊の場合でも卵が採れれば、原因が卵管因子だけの不妊症と比べても妊娠率は変わらないとされております。
子宮内膜症性卵巣嚢胞は、卵巣からのエストロゲンの分泌がある間は月経周期が進むにつれて進行(増悪・増大)します。進行を遅らせるには、妊娠中のホルモン状態になることやピル・黄体ホルモン剤によるホルモン療法、Gn-RHによる偽閉経療法など月経発来を止める方法で進行を遅らせることが出来ます。1%以下の確率ですが悪性化することもあり、悪性化していないかをMRIや腫瘍マーカーなどで定期的に検査しながら挙児希望の時期まで子宮内膜症の進行を遅らせる上記の治療法を施行するのが望ましいと考えます。
また、卵巣嚢胞が直径5cmを越えて来るようであれば腹腔鏡下または開腹下での嚢腫核出術の適応にはなりますが、手術によって卵巣実質が少なくなると術後に排卵機能が低下することもあります。いずれにしても早く結婚されて妊娠されるのが一番と考えます。
申し訳ございませんが、当院では現在のところ未婚の方の卵子凍結は行なっておりません。白血病などの病気をお持ちの方を対象としております。

■ クラミジア感染歴ありの初期胚移植 [掲載日]2010-12-26 09:29:43
    From:くろ 様 [回答者]kaito
現在、不妊治療に通っている32歳女性です。よろしくお願いします。

タイミング法で何度か試しましたが妊娠せず、医師より、
・過去のクラミジア感染で、卵管炎を起こしているだろう
・繊毛が使いものになっていないかも
等、卵管の障害を指摘され体外受精を決意し、先月初めての採卵をしました。
採卵数が多かったため、移植は早くて2ヶ月後とのことです。
(ちなみに卵管造影検査では、両方とも通っていました)

受精卵は5個できたのですが、
全て3日目まで培養した時点で凍結したと聞きました。

この凍結胚の場合、
移植しても一度卵管に受精卵が戻ってから、子宮に帰ってくるんですよね?
卵管に問題があると医師から言われていたのに
なぜ胚盤胞まで育てて凍結しなかったのでしょうか。
胚盤胞だと卵管に戻ることがないから、妊娠率が高いと聞いたことがあったのですが...。

それとも凍結胚を融解したあとすぐに移植せず、胚盤胞まで育てる、なんてこともあり得るのでしょうか。

今回の凍結胚では何度移植しても妊娠できないんじゃないかと
今から絶望的になっています。

ご回答いただけるとうれしいです。
よろしくお願いします。

回答:
一般的に言って、受精卵が胚盤胞まで発育できるのは約4割です。染色体異常のある胚は分割途上で発育停止が起こります。これは、良い胚だけを選ぶ自然淘汰によるものと考えられます。従って、分割途中で発育停止する不良受精卵が除外された分、胚盤胞まで育った胚(受精卵)は妊娠率が高くなります。その代わり、胚盤胞まで発育経過をみた場合には上記の理由で5割以上の胚に発育停止が起こり、移植ができないとお考え下さい。
私共の施設では主に卵管の通過性や子宮外妊娠の既往歴の有無などで分割胚移植の適応を決めております。卵管内の繊毛機能までは評価できませんので繊毛が正常かどうかは判断基準として採用しておりません。また、凍結分割胚を融解して胚盤胞まで育てることは可能ですが、移植方法については主治医の先生と良く相談してお決め下さい。

卵子回帰説について
分割胚を移植した場合、移植した分割胚はいったん卵管内へ移動し、卵管内で成長を続け、その後再度子宮へ移動し着床するという考え方です。
排卵直前・直後のエストロゲン優位なホルモン環境下では、卵管の筋層(縦走筋、輪状筋)や繊毛の運動は子宮から卵管采の方向になびき、黄体ホルモンの産生が高まると卵管から子宮へ向かう方向になびくと考えられます。これは精子の移動方向や受精卵の移動方向と一致します。
これらのことは排卵直前や排卵後数日後にインジゴという染料を子宮内腔に入れて数時間後に子宮内腔から回収できるかを調べた報告や、動物実験で電気生理学的に卵管の蠕動運動の方向をホルモン状態に応じて調べた報告があります。
また、子宮外妊娠の頻度は自然妊娠では約0.5〜1.5%に対し、体外受精での分割胚移植(排卵2日後)では約3%、胚盤胞移植(排卵5日後)で約0.3%であり、卵子回帰説を裏付けるものと思われます。

■ 新鮮胚移植後の妊娠判定 [掲載日]2010-11-17 14:56:09
    From:msrn 様 [回答者]kaito
現在岡山在住なのですが、先月東京の実家に帰京した際に新宿KLCにて治療を受け、11月よりセロフェン服用、採卵(2個)、新鮮胚移植をはじめて行いました。
来月東京に戻る予定はあるのですが、次の判定日は、「近くにホルモン検査できる所があれば、新宿にこなくてもいい」と言われました。神戸夢クリニックに伺ったら、判定検査して頂けますでしょうか?もしお願い出来るのであれば、短期間に何度も長距離移動する必要もなくなり有難いのですが。。。どうぞ宜しくお願い致します。
明日、岡山に戻る予定です。


回答:
加藤レディスクリニックで分割胚移植(採卵後2日目)をお受けになり、移植後12日目の妊娠判定ですね。
当院は加藤レディスクリニックの姉妹クリニックです。
加藤レディスクリニックと全く同じやり方ですので、当院でも妊娠判定が出来ます。

■ よろしお願いします。 [掲載日]2010-10-20 18:55:20
    From:みかん 様 [回答者]kaito
もうすぐ、結婚して1年になります。なかなか妊娠せず、10月に他の不妊専門病院にいきました。結果は、とっても残酷でした。クラミジアIgG抗体が、1.75(+)で感染していたようです。ジスロマックを夫婦で飲みました。両側の卵管に水腫ができているようです。次回、卵管造影検査で、ハッキリすると先生からは、言われています。毎日、妊娠できないのではと考えてしまい、涙があふれてしまう生活です。先生、助けてください。ネットで調べれば調べるほど、愕然としています。主人に、子供を抱かせてあげたい。思いです。今後私は、どうしていったらいいのでしょうか。私と同じ症状の方も通院しておられ、妊娠されていますか。

回答:
メールありがとうございます。
クラミジア感染による卵管水腫や卵管閉塞、その他子宮内膜症が原因などでも卵管に問題は生じえますが、同じような状況(両側卵管水腫や閉塞)の方が多く当院では治療を受けられ、そして妊娠されております。もともと体外受精は卵管に問題があって自然妊娠が難しい方のためにできた技術です。
今のところ問題は卵管だけのようですので、体外受精で良い卵と精子を出会わせてあげれば高率に妊娠が期待できます。過去に排卵誘発剤を使用した治療を何度も受けられ卵巣が疲弊してしまっている方は良い卵に出会うまでに少し時間がかかることがありますが、今まで卵巣に負担のかかる治療をされておらず、また年齢も30歳代であれば、短期間で妊娠する可能性は十分にあります。
まずは、卵管造影検査で両方の卵管に本当に問題があるのか確かめてもらってください。
両方の卵管水腫が確定した場合は、早期に体外受精をされることをお勧めします。その場合、卵巣に過剰な負担をかける過排卵誘発による体外受精ではなく、身体に負担の少ない自然周期体外受精から開始されることをお勧めします。
卵管水腫であった場合に問題になるのは、着床時期に卵管水腫内の液体が子宮内に流れてくることです。こういう状態になる場合は、体外受精でできた良好胚を移植しても、水腫内容液に洗い流されてしまい着床できないことがありますので、当院では移植直前に卵管液を採卵と同じ要領で抜く処置を行っております。それでもなかなか着床しない場合は、卵管の根元にあたる部分(子宮と卵管のつなぎ目)をクリップで挟んで卵管液が逆流しないようにする手術や卵管水腫の切除手術などを受けていただくこともあります。
本当に問題が卵管だけなのかメールからだけではわかりませんので、卵管造影検査の結果が出ましたら、一度お話だけでも結構ですのでぜひご来院ください。

■ 胚盤胞までいかない。年々採卵数がへっている。 [掲載日]2010-10-18 19:21:06
    From:ゆきちゃん 様 [回答者]kaito
H17年にスプレーによるロング法〜、HMGは生理2日目よりスタートし育て無事採卵しました。
11個中G1G3の新鮮卵2個を分割途中でETしました。残りの受精卵は胚盤法まで培養しようとした途中でストップし凍結できませんでしたが、戻した新鮮卵のうち1個が妊娠しH18に長男を出産しました。もともと3年以上かかったことから出産後半年で不妊治療を再スタートしH22現在も治療中です。H17年の病院は名古屋でしたが長男を育てながらでは遠方へ通うのが無理なので同県の病院へ変更し、今まで体外受精を10回ほどしています。一度だけロング法のHMG注射で2年前に胚盤法までいき凍結後、自然周期にETましたが分割速度の遅い受精卵でが妊娠できませんでした。その後はHMGゴナピュール等を使い(注射開始は3日目や4日目などまちまちでした)誘発し、セトロタイト(アンタゴニスト)で調整後、採卵しました(その卵子は毎回培養3〜4日でストップしてしまう)胚盤胞まで絶対にいかない。(分割スピードは普通でしたが)卵の質?と思いHMGからクロミッドのみの刺激にかえて2〜3個で採卵してみたり(4回ほどチャレンジ)、クロミッド+ HMGを一日おきに注射で個数を少な目3〜4個で採卵してみました(4回ほどチャレンジ)が全部胚盤胞までいかずでした。
すべてショート法でした。
培養液に弱い?タイプかな?と思いクロミッドでの採卵・クロミッド+HMGでの採卵の両方で分割途中の卵(G2を2個 G3を5個凍結しています)これは予備のようなもので本当なら胚盤胞まで行き2段階胚移植をしたいです。
しかしこの4月ころよりHMGの反応がわるくクロミッドでも2個とかHMGを毎日でも3個とかしか採卵できませんでした。
先生教えてください
HMGの注射を打ちはじめるタイミングが2.3.4日目などまちまちなのが原因でしょうか。それともショートよりロングがむいているのでしょうか?
HMGの注射を長男の時は反応をみながら種類を3種類ほど変更していましたが今は毎回同じ種類のHMGです。いろんな種類がありますか?

それから私の場合長男がそうであったように新鮮卵の分割卵で移植のほうがベストなのでしょうか?
採卵後はプラノバールを毎回処方され14日間飲んで飲み終えて5日目くらいにスタートする生理2.3.4日目くらいからスタートするのがいつものパターンです。
お金ばかりなくなるばかりで、このままの治療でよいのか不安です


回答:
メールありがとうございます。
メールを拝読していると、妊娠するために何かよい方法はないかと模索されておられるのがよくわかります。
まず、HMGの投与開始日ですが、月経2,3,4日目のいずれから開始しても結果に大きな差は出ないものと思われます。HMG製剤にはFSHとLHの配合比率が異なるものがあります。また、同じ配合比率でもメーカーによって効果が多少異なることもあります。
メールの内容で注目すべき点は、今年の4月頃からHMGの反応が悪く、HMGを連日投与しても3個しか採卵できなかったところです。過排卵誘発に必要な注射製剤(HMGやFSH)の使用により、薬剤耐性が生じているか、何度も過排卵誘発を繰り返したために卵巣が疲弊し注射に反応できなくなっていることなどが考えられます。こういう方に、使用薬剤の多いロング法やショート法はお勧めできません。薬剤耐性をさらに生じさせるか、卵巣機能をさらに悪化させる可能性があるからです。
当院へ来られる患者様の中には、過去に過排卵誘発での体外受精を繰り返しお受けになり、卵巣機能低下が進行した方、薬剤耐性やアレルギーが生じて誘発剤が使用できない方が多くおられます。当院の診療方針の基本は、卵巣へ負担をなるべくかけずに、身体が選ぶ最良の卵を採卵することです。それが妊娠への最も近道と考えております。自然周期・クロミフェン周期はそれを専門に行なっている施設でないとホルモンの検査体制や採卵ノウハウの面から成熟卵を獲得するための良いタイミングでの採卵は難しいと考えます。
加齢が進み、治療歴も長くなると卵の質的低下が進行します。過去に過排卵刺激による体外受精を受けられて卵巣機能低下が進んでいる場合は、質の良い卵と出会うのに時間がかかることがありますが、当院の自然周期採卵はホルモン環境を乱しませんので、毎月の採卵数は1〜3個と少ないものの、毎周期でも採卵できることがメリットです。
移植については、自然周期であればホルモン環境の変化によって子宮内膜の環境を乱すことはなく、新鮮胚でも凍結胚でも妊娠率は変わりません。一方、刺激周期での移植は内膜のホルモン環境を悪化させますので、原則として一旦凍結後に周期を改めて融解胚移植することをお勧めしております。また、ご長男さんは分割胚移植で妊娠されたとのことですが、それ以降の採卵後の経過では受精卵の分割停止が多いので移植のチャンスが少なくはなりますが、胚盤胞まで発育出来る受精卵を確認してから移植されるのが良いように思います。
メールだけでは詳しいことはわかりかねますので、一度お話だけでも結構ですからご来院ください。

■ 刺激方法 [掲載日]2010-10-08 09:51:13
    From:miyu 様 [回答者]kaito
40歳 AMH9 D3FSH/10
先日体外受精 アンタゴニストショート法をしましたが(300単位×8日)すべて未熟でした。
卵巣機能がかなり低下しており 連日の高刺激注射の影響で卵子の質低下が悪化してしまったのではないかと不安でなりません
一度でも高刺激をしてしまったらその後良質卵子はできにくいのでしょうか?
2周期お休みするようにとのことですが 今そちらへ受診したらどのような 治療になるのでしょうか?
どれくらいの期間どのようにして調整していくのでしょうか?
どうぞ よろしくお願いいたします

回答:
メールありがとうございます。
AMHの低下、および体外受精の結果を拝読する限り、卵巣機能の低下が疑われます。
AMHが低い方は、多量の薬を使った刺激は卵巣機能の更なる低下に拍車をかけることになりますので、卵巣への負担が少ない自然/低刺激周期での体外受精が望ましいと考えます。
自然周期を行っていると掲げている施設はありますが、当院のようにそれに特化した施設は少なく、豊富な知識と経験を要します。
過排卵刺激の場合は、その後2〜3周期のお休みが必要ですが、当院ではホルモン環境を大きく変動させることがないので、毎周期でも採卵可能です。採卵できる数は1回1〜3個と少ないですが、身体が選ぶ最良の卵を毎月でも採卵されるほうが、良い卵に出会うチャンスが高まると考えております。実際、当院へ来られる患者様の中には、他院で行った過排卵刺激による体外受精の結果がおもわしくなく、AMHを調べたところ低下していると指摘されたという方も多く、良い卵と出会うために卵巣に負担の少ない自然/低刺激周期による体外受精を受けておられます。
過排卵刺激を行った直後は、月経周期が乱れ、採卵した卵の質の低下が起こることがあります。元の状態に戻るまでに2周期ほどかかることがありますので、当院でも過排卵周期による体外受精を受けられた方は、本来2周期ほど自然排卵の経過をみる調整周期を入れるのですが、最近は40歳以上であまり時間が残されていない方の来院が増えており、自然排卵があれば調整周期を入れることなく自然周期採卵の開始を希望される方も多いように思います。

■ 卵の質、自然周期の採卵について [掲載日]2010-10-05 15:48:41
    From:ママらっこ 様 [回答者]kaito
はじめまして。来年早々に40歳を向かえるものです。
子供が一人、35歳の時に体外受精にて授かりました。
今二人目が欲しくて他院にて何度か顕微授精にてチャレンジしましたが、もう4回ほど陰性ばかり見ております。
つい先日の採卵ではかなり自己注射の薬量も増え激しい刺激のショート法にて頑張ったのですが、5つの採卵、うち顕微授精なのに4つ受精後、分割し始めたのは1つだけ、それもグレード4という散々な結果となりました。
結局その受精卵も途中で分割がストップして、移植ならずな状態になりました。
そもそもの大きな原因は男性不妊だったのですが、今は私の高齢がネックになっているようで、いつまでこの治療を続けるかも最近考えるようになりました。
でもどうしても二人目が欲しく、貴院にて自然周期にて採卵、という事にとても惹かれております。
一人目の時の一度目はロング法で3つ採卵、移植するも着床せず。
二度目のアンタゴニストで3つ採卵、うち2つの受精卵をフレッシュで移植してうち一つの受精卵が妊娠に結びつきました。
二人目が欲しいと思い、ロング法、ロング法、ロング法、ショート法、と4回採卵し、その都度採卵できる卵の数は多くて5つ、だいたい4つ位は分割始まるのですが、それより先には進めず、胚盤胞まで進んだのは3回目のロング法のみでした。(結局それも着床しなかったのですが)
今回(9月です)の採卵で5つ採卵、4つ受精卵になり、うち3つが分割さえしなかった、という事がとてもショックで、少々落ち込みから戻れずにおります。
こういう注射の刺激にもあまり反応のよくないと思われる状態の卵巣や質の良くない卵しかとれてなさそうな私のような場合は自然周期でも無駄でしょうか。
自分の中では40歳で諦め様かとは思ってはいるのですが、もし貴院にて少しでも望みがあるようでしたら、すぐにでも転院したく思っております。
とりとめのない質問にで恐縮ですが、ご回答いただけないでしょうか。宜しくお願いします。

回答:
メールありがとうございます。二人目を希望される強いお気持ちがよくわかりました。
文面から推察すると、もともと卵巣機能があまりよくない状態の中、強い刺激を繰り返したことにより卵巣機能がさらに低下している可能性が疑われます。
35歳時のロング法での採卵数が3つと少ないことが、卵巣機能があまりよくないことを示唆していると考えられます。その後の採卵数や胚のグレードを見ても、卵巣機能の低下が進んでいることを表していると思います。一度、卵巣予備能を評価するAMH(抗ミュラー管ホルモン)を測定されてもよいかもしれません。
これ以上強い刺激を卵巣に与えても卵巣を消耗させるだけで、最終的なゴールである妊娠・出産が遠のく可能性があります。
当院には、他院で過排卵誘発によって卵巣が疲弊し排卵誘発剤を使っても反応が乏しくなっておられる方や、過排卵誘発剤の副作用に悩まれる方などの来院が多く、年齢的にも30代後半から40歳代のあなたと同じ年齢層の方が多く来院されております。
当院の自然周期/低刺激周期は、1周期あたりの採卵数は平均1〜3個程度ですが、ホルモン環境を大きく変動させないので、残された時間があまりない方には毎周期でも採卵できるがメリットです。多量の薬を使って1回5個採れたとしても、その後のお休み期間が必要なのであれば、毎周期1個や2個でも身体が選ぶ最良の卵を採卵するほうが、ずっと身体に優しく、そして効率もよく、妊娠への可能性もあがると考えております。


■ 自然周期体外受精について [掲載日]2010-08-02 16:21:14
    From:とと 様 [回答者]kaito
41歳 38歳のときにショート法の準備でブレセキュア吸入とフォリルモン・HMGの連日注射を行いましたが、10mm程度の卵が数個できただけで、手足のしびれや倦怠感・頭痛・かすみ目がひどくなりリセットしました。その後ノアルテンDでリセット中パニック障害を引き起こし、それからパキシル10mg服用中です。
状態が落ち着いてきたの不妊治療を再開したいのですが、薬の副作用に対してトラウマがあり、不安です。
卵管造影結果では右卵管狭窄と癒着があり、左卵管は通っております。
基礎体温は2相性で(高温期が8〜9日)26〜27日周期です。
自然周期での体外受精に興味があり、年齢的なこと、卵管の問題、薬アレルギーの問題を考慮して、そちらでの治療の相談はかのうでしょうか?排卵抑制の変わりにHCGなどで対応可能でしょうか?
ご助言お願いいたします。
ちなみに2年前かかっていた病院の方針ではクロミッド+HCGで
AIH2回試し、ステップアップとして排卵誘発による体外受精へとすすめるように言われました。

回答:
自然排卵があれば注射薬を全く使わない完全自然周期での体外受精は可能です。当院では排卵抑制は行わずに、卵胞が自然に十分に成熟した時点でGnRHアゴニスト(スプレキュア)を自宅で点鼻することで排卵誘起させますので、hCGを注射することもありません。
左卵管が通っている場合、採卵した卵が受精・分割すれば分割胚移植が可能ですが、分割胚で着床に至らなかった場合は、胚盤胞移植をお勧めます。
年齢を考慮すると、1周期でも早く治療を始められるほうがよいと考えます。

■ 原因不明の着床障害について [掲載日]2010-07-07 12:53:24
    From:ももちゃん 様 [回答者]kaito
初めまして。神戸元町夢クリニックへの転院を考えている者です。
年齢:36歳
治療歴:2年10カ月
 最初の病院・・・重度の男性不妊により、AIH6回の後、ICSI(ロング法)→1回ET(1個)→陰性
 2つ目の病院・・・重度の男性不妊により、ICSI4回→1回ET(1個)陰性、1回BT(1個)陰性

2つ目の病院では、治療歴と年齢を考慮して良質卵を得るために良質卵育成プログラム(恐らくカウフマン)後、低刺激(加藤レディスのノウハウを導入)での連続採卵(3回連続)を行い、培養凍結(2個だけ凍結可)しHR周期胚移植(寺元章吉先生のノウハウ導入)実施しました。1回目ETでは2日目の胚を戻し陰性でした。次に残っていた凍結胚を培養し、胚盤胞(良好と判断された自力ハッチングの始まった胚盤胞)に育ったためBTを実施しましたが結果は陰性でした。結果、BT陰性判定時(2010年7月2日)にこの質の胚盤胞で妊娠しなかったので、原因不明の着床障害と診断されました。

2つ目の病院の先生が、加藤レディスで学ばれた方であるため(ただし、永遠幸グループではありません)、基本的な治療方針や設備(ホルモン検査機器設置など)、培養・凍結技術(ガラス化凍結など)は加藤レディスと大幅に変わることのないものであるという条件の下での、原因不明の着床障害との診断です。先生は原因不明の着床障害には、2段階移植がわずかではあるが効果がみられる場合があるものの、そのための繰り返しの採卵(元々の卵の質も良くないようです)や様々な大変さや成功率の低さを考慮すると、子供を諦めることが今後の人生にとっても良いのではないかと判断されています。

神戸元町夢クリニックでも、やはり原因不明の着床障害であり全く可能性はないと診断されるのでしょうか。また、着床障害に関しては積極的な検査を行っていらっしゃらないと、Q&Aにありましたが、私のようなケースでは、何らかの着床障害に関する検査を実施されることはあるのでしょうか。

子供を諦めるかどうか、判断をするためにアドバイスをいただければと考えています。可能性があるようであれば、改めて診察を受けるつもりです。よろしくお願いいたします。


回答:
加藤レディスの治療法を学ばれた先生とのことですが、加藤レディスの治療法は改良を積み重ね、日々進歩しており、施設の培養技術は培養師の技術に大きく依存します。
また、着床障害については解明されている部分は少なく、未だ診断の確立していない領域といえます。着床障害は良好胚盤胞を何度も移植しても着床が認められない場合と考えられ、粘膜下筋腫などの器質的な原因が無い場合、原因が判明しないものが多いのが実情です。1回の胚盤胞移植で妊娠に至らなかったからと言って診断が確定するものではありません。
どれだけ形態的に良好胚盤胞であっても、1回移植あたりの妊娠率は100%にはなりません。形態的に良好胚盤胞に見えても染色体や遺伝子レベルで大きな問題のあるものも多いからです。
36歳という年齢、そして良好胚盤胞を獲得できる卵巣機能をお持ちなので、子供をあきらめるのは早い気がします。
卵の質がよくないのであれば、よい卵と出会うまで、毎月粘り強く治療を続けることが必要になる場合があります。当院の自然周期/低刺激周期による体外受精は、1回に採れる卵の数は少ないですが毎月でも採卵でき、良好卵が出てくるのを待ちます。繰り返しの採卵でも卵巣への負担は少ないと考えます。
他院での治療の実情と内容については文面だけからでは十分には分かりませんが、あなたが治療とじっくり前向きに向かい合うお気持ちがおありでしたら、一度、当院の治療を受けてみて下さい。私共は全力を持って後押しさせて頂きます。

■ 転院するか、迷っています。 [掲載日]2010-07-01 12:26:54
    From:ひめこ 様 [回答者]kaito
結婚してしばらくして子宮外妊娠をして、卵管を切除しました。その後年齢的なこともあり不妊治療をすすめられ、37歳から治療を続け最初はタイミング法で、その後人工受精を行い、現在39歳で今年の4月に初めて体外受精をおこないました。
説明が少なく、自分では詳細がよくわからないのですが、スプレキュアの点鼻薬が生理前からはじまり、生理開始3日目ころから毎日注射に通い、採卵できる卵は15個くらいあるといわれました。受精したのは、そのうち6個くらいで胚移植できるのが2個あるといわれ、残りは冷凍保存のため、すこし培養されていたようですが育たず、妊娠もしなかったので、今は次回の体外受精のためににリセット期間です。当初、体外受精の後、自分で排卵する力もなくなることも知らず、説明を求めても、そんなことも知らなかったのか?とか、少し質問をすると、なんで黙って言うことが聞けない人が増えてきたんだろうね。などといやみをいわれた上に答えてもらえず、うかつに質問もできません。
なので結局どの段階が悪くて、妊娠にいたらないかも、よくわかりません。
子宮外妊娠の手術をした病院で、この近辺でおすすめできるのは、今行ってるクリニックだけです、と言われたことと、毎日の注射に遠くに通う気力がないなぁと思っていたのですが、どうやら貴院では、毎日通うわけではないように思い、もしかしたら遠くてもかよえるかな?と迷っています。
それと、今通っているところは説明が少なく、質問すると怒られるので、毎回気分が悪い思いが残ります。ただ、どのタイミングで転院したらいいのかもわからず、悩んでいます。連携診療・・とかになると、転院したことがばれて、余計に怒られそうで。今のクリニックでも、かなり多くの方が妊娠に成功されている有名なクリニックのようではあるのですが、、。やはり、体外受精でも、やり方によって結果が違うということがあるのでしょうか?
あと、不妊治療費助成制度はうけることができますか?


回答:
赤ちゃんを授かるために受ける治療について、その治療を受けられるご自身がその内容を理解したいという気持ちになるのは当然のことであり、それを説明することは医師の責務と考えます。当院では患者様の疑問については十分な説明を心がけております。
採卵後の卵の受精・分割など発育状況も写真でお渡しし、問題点などの説明をさせて頂いております。
あなたが受けられている治療はロング法の体外受精であり、スプレキュアによってご自身のホルモンを抑えて勝手な排卵をすることを防ぎ、注射でホルモンを与えることによって多数の卵を調節して育てる方法です。これは過排卵誘発法といい、卵巣に過剰な負担を与えますので、採卵周期のあとの月経は乱れ、次の採卵まで約2周期のお休み期間が必要になります。
毎月身体は1個の卵を選んで排卵します。ご自身のホルモンが出ているのになぜ薬を使って抑えないといけないのか?身体が選ぶ1個の卵を採卵すればよいのではないか?あなたが恐らく不思議に思われたであろうこの疑問は、我々も感じていることであり、その疑問から自然周期採卵を行う技術を確立していったのです。
自然周期採卵ではご自身から自然に出るホルモンを利用しますので、採卵までの来院回数は3回程度です。自然周期採卵を専門に行っている施設が少なく、当院も東海・九州・四国地方からの患者様がいらっしゃいますが、採卵日が近くなるまでは診察を地元のクリニックで受けていただくことも可能です。
4月に採卵されて約2カ月以上経過しておりますので、そろそろ元の状態に戻りつつあるところだと思いますので、次の月経3日目頃に一度来院していただけたらと思います。
自然周期採卵はあなたの身体に合わせた治療ですので、月経が始まった頃にその周期の卵が育つ前の基本の状態を診察させていただいております。
体外受精のやり方のみならず、同じやり方でもその施設の能力によって妊娠率は異なってきます。過排卵誘発が辛くて当院に転院された方で、自然周期で妊娠された方は多くおられます。
また、条件を満たしておられるなら不妊治療費助成制度も受けていただくことができます。
詳しくはお住まいの自治体にお問い合わせください。
ご相談だけでもかまいませんので、一度ご来院ください。

■ 次は人工授精か体外受精か迷っています。 [掲載日]2010-06-24 13:44:34
    From:とまと 様 [回答者]kaito
現在33歳で結婚2年目です。地元の不妊専門クリニックで約半年間タイミングを試しましたが妊娠には至っていません。子宮内膜症によるチョコレートのう胞が右卵巣にありますが、右の卵巣からも排卵はしているようです。夫の精液検査の結果はそれほど悪くなかったのですが、排卵期の頃のフーナー検査では毎回あまりいい結果が出ませんでした。卵管造影検査では、一応通過障害はありませんでした。また、精子不動化抗体を調べましたが陰性でした。
「もっと自然に!不妊治療」を読ませていただき、体外受精を考えていますが、人工授精でも妊娠できる可能性もあるのかも…と思うと迷ってしまいます。今の段階で考えられる不妊原因は、やはりピックアップ障害でしょうか?
また、治療で時間的にあまり費やしたくないならやはりすぐに体外受精に進んだ方が確実でしょうか?
それから、地元(岡山県)で、貴院と連携診療ができる施設はありますでしょうか?
いろいろとお聞きしてしまいすみませんが、よろしくお願いします。

回答:
本をお読みくださり有難う御座います。あの本には、当グループの治療方針について皆様にお伝えしたい事がぎっしり詰まっています。より自然妊娠に近い体外受精を目指す私達のやり方を知っていただけたら幸いです。
フーナー検査で良い結果が出ないので、人工授精か体外受精で迷われているのですね。
フーナー検査は排卵前後の限られた時期にしか良くなりませんので、適切な時期に行なわれているかが大切です。当院の患者様でも昨日と今日ではフーナー検査結果が全く違う事も珍しくありません。器質的問題がなく、フーナー検査も良くて卵管通過障害がない場合、半年以内のタイミングで大半のカップルが妊娠されます。それが妊娠に結びつかないとなると、子宮内膜症がある事も考慮すれば、検査で検出困難なピックアップ障害などを念頭に置かねばなりません。なかなか上手く出会えない卵子と精子にとって、当院の体外受精は体に負担が少なく、より自然妊娠に近い方法といえます。
治療に時間を費やしたくないのであれば、精子と卵子を確実に出会わせてあげる体外受精をお勧めしますが、迷われているのであれば、まずは当院を受診して、フーナー検査を受けて頂きたいと思います。
排卵時期の適切なときに行ったフーナー検査が不良のときは人工授精が適応になりますが、人工授精は精子を子宮内に入れる治療で、それ以降の過程は自然妊娠と変わりません。3〜6回行って妊娠に至らないのであれば、人工授精という方法では妊娠できない原因があると考えられますので、体外受精に進まれる事をお勧めします。
地元で卵胞計測と、可能ならば即日の血中ホルモン検査結果(E2、LH、P4、FSH)が出る施設がありましたら、その日の結果を当院に連絡して頂き来院日を指示することも可能です。即日の血中ホルモン検査の結果が難しいようでしたら、卵胞計測だけでも結構です。


■ 帝王切開後の体外受精について [掲載日]2010-06-23 14:40:40
    From:みかん 様 [回答者]kaito
腺筋症・内膜症がありましたが、一人目を顕微授精にて妊娠し、この度帝王切開にて出産予定です。2人目も考えているので落ち着いたらまた治療を開始したいと思っているのですが、帝王切開によって妊娠率が下がったりすることはありますか?例えば、傷が着床の障害になったり、その他卵巣機能の低下等・・・etc。よろしくお願いします。

回答:ご妊娠おめでとうございます。そして、これからのご出産頑張ってください。
帝王切開でご出産された場合ですが、子宮を切開した部分の傷が治癒するのに、約1年かかるといわれておりますので、次の妊娠は1年ほど控えられたらよいと思います。出産後、母乳で育てられている間は月経が再開しないことが多いですから、その間は腺筋症、子宮内膜症の病状は進行しないことが予想されます。その後、月経が再開しますと腺筋症、子宮内膜症とも徐々に進行していきますので、出産後1年の期間を経たら、なるべく早く治療を再開されることをお勧めします。帝王切開では、一般に子宮下部横切開と言って子宮の出口に近い部分を切開しますので、赤ちゃんが着床する子宮底部と呼ばれる子宮の奥の方については傷がつきませんから、帝王切開によって妊娠率が下がることはありません。また、卵巣機能の低下については年齢的な要因が大きいですが、子宮内膜症がある場合、月経が再開することで症状が悪化して卵巣機能の低下の速度を速めますので、月経が再開すれば、早めに治療を開始されることをお勧めします。

■ 体外受精 [掲載日]2010-06-08 18:59:19
    From:ももこ 様 [回答者]kaito
基礎疾患は多嚢砲卵巣と卵管が一応通っている感じです。
いままで7個の胚盤砲移植をしましたがいずれもかすりさえしてません。
卵の状態も5日目胚盤砲でランクも悪くありません。
毎回アシストハッチングし、内膜の確認でも何も問題なく、移植前の血液検査でもホルモン値なども問題はありません。
子宮鏡の検査もしましたがまったく問題なしでした。
ホルモン補充周期 薬で排卵させての自然周期両方試してます。
今の病院ではSEET法も試したり
血栓予防のバファリンなども飲んでみました。
病院も不妊治療専門の有名な病院に通っております。
このような状態で貴院へ転院してもやはり同じでしょうか?


回答:
胚盤胞といってもその質は様々で、形態によるランク評価は施設によって異なります。
自然周期胚移植は戻す時のタイミングによっても成否が大きく異なってきますし、ホルモン補充周期のやり方も施設ごとにかなり異なります。
アシスッテドハッチングも小さなスリットだけを入れるものから透明帯を完全に除去するものまで様々です。
子宮頚管の状態によっては胚移植がうまくいきにくい方もおられます。実際、他院でいつも胚移植に時間がかかり反復胚盤胞移植不成功の方が、当院での初回の胚盤胞移植で妊娠し卒業された方もおられます。
ホルモン検査といってもその測定項目、測定日時が異なれば評価も違ってきます。
体外受精の各ステップが施設によりやり方が違いますので、あなたに合う施設を選ぶ必要性があると思われます。
年齢やその他、詳しいことが分かりませんので、一度相談に来られてはいかがですか。

■ 子宮内膜症と移植について [掲載日]2010-04-13 16:38:41
    From:ほとり 様 [回答者]kaito
来月39歳になります。現在別の不妊治療専門のクリニックに1年半ほど通院しています。
昨年3月に子宮内膜症性卵巣チョコレート嚢腫で左卵巣を手術しました。その後、タイミング1周期、AIH1周期を経て体外受精に進みましたが、1回目はショート法で1個採卵、受精せず、その後OHSSになり3ヶ月卵巣を休ませました。今年の1月にクロミッド法にて2個採卵、顕微授精させ、1つは途中で成長が止まり、もう1つの初期胚を凍結しています。しかし移植期に内膜が薄いか、ホルモン値が良くないとの理由で連続3周期移植を見送っています。つまり今まで移植まで至ったことがありません。その内に今度は右卵巣が6aに腫れていると言われ、子宮内膜症の再発の可能性が高いと言われました。昨年手術したばかりなので再度の手術はとても抵抗がありますが、この場合やはり手術適用になるのでしょうか。通常大きな卵巣嚢胞を抱えた患者には移植はしないものでしょうか。ちなみに昨年8月に計ったAMHは2.2です。手術後、左卵巣からはほとんど排卵せず、もし右卵巣も手術すれば排卵自体しなくなるのでは、と考えてしまいます。

回答:
左卵巣の子宮内膜症性嚢胞の核出術後に左卵巣からの排卵が少なくなったのは嚢胞核出術後に卵巣実質が減少したことによると推測されます。両側の卵巣内に残る卵胞数の指標となるAMHが2.2 pmol/Lと極めて低いことは左卵巣だけでなく右卵巣に残っている卵胞数もかなり少ないことを示していると思われます。このままでも今後右卵巣からの排卵も不規則になっていく可能性があります。また、現在は反対側の右卵巣にも子宮内膜症性嚢胞の腫大が認められるとのことですが、右卵巣も手術して更に卵巣実質が減少すると術後に自然排卵も困難になる可能性は否定できません。卵巣実質を減らすことなく手術できるかはMRIなどで検討できますが、AMHが極めて低値なのでかなり慎重に判断する必要があります。卵巣の状態によっては手術せずにこのまま体外授精で採卵する方が良い場合もあります。また、大きな子宮内膜症性嚢胞は稀に悪性化する事も知られていますのでMRIや腫瘍マーカーなどで明らかな悪性所見がないことを確認し、定期的に検査をお受けになることをお勧めします。良性の卵巣嚢胞ならアルコール固定をしておくと体外受精で卵胞発育や採卵・胚移植がやり易くなることもありますが、術後の再発が無いわけではありません。
大きな卵巣嚢腫のある方でも胚移植は出来ます。妊娠後に嚢腫核出術や卵巣摘出術を行うという選択肢もあります。
子宮内膜の厚さに関しては一時的なホルモン状態の不良のために内膜が薄くなっているのであれば、ホルモン状態が良好な自然周期やホルモン補充周期(人工周期)に胚移植すれば良いでしょう。しかし、過去に流産などによる掻爬手術後に内膜が薄くなり、その後も薄いままの場合は、将来的に内膜が厚くなることは期待しにくいので胚盤胞や孵化胚盤胞での移植が望ましいと思われます。
あなたの詳しい状態が分かりませんので手術の適否についてはメールの書面からだけでは一般論しか言えません。相談を希望されるなら一度御来院下さい。

■ クロミフェンによる多胎妊娠について [掲載日]2010-03-26 17:53:21
    From:カール 様 [回答者]kaito
二人目希望の30歳です。
今期12日目で初めてクロミフェン1錠を三日分を処方されました。
(排卵するスピードが遅いため)
15日目の検診で13ミリ・11ミリ・10ミリの卵胞ができしまいました。
多胎妊娠はさけたいのですがどうしても今期は妊娠したいと思っています。

多胎妊娠を避けて妊娠できる方法はありますか?
このままタイミングを図ると多胎妊娠してしまうのでしょうか?


回答:
クロミフェン周期で複数個の卵胞が発育・成熟した場合、タイミング法では多胎妊娠になる可能性は無いとは言えません。
このような場合、卵胞成熟後にスプレキュアーで排卵誘起をしてから主席卵胞を1個だけ残して他の成熟卵胞を採卵し、自然妊娠を試みる方法が考えられます。採卵できた卵は受精・培養後に凍結保存しておきます。これは多嚢胞性卵巣などの排卵障害をお持ちの方が自然妊娠を希望される場合に多胎妊娠を避ける目的で私どもが行っているNEPという方法です。
また、排卵障害のある方の中にはフェマーラという内服薬が単一卵胞を育てる排卵促進剤として有用な方もおられます。
ご希望がおありでしたら来周期以降の月経開始3日目にご来院下さい。

■ 体外受精について [掲載日]2010-03-09 17:27:31
    From:みき 様 [回答者]kaito
現在30歳で不妊治療一年。約8ヵ月前に左にチョコレートのう胞があると診断され、主人の方が精子の数が少ないとの事で人工授精をしています。今回で5回目ですがリセットしてしまいました。チョコレートのう胞は経過観察中なのですが取除いてから体外受精を受けるかあと数回は人工授精を受けるかで悩んでいます。
夫婦で原因がある場合はチョコレートのう胞を取り体外受精を受けるべきでしょうか?

回答:
卵管の通過性に問題なく濃縮精子の量にも問題ない場合で人工授精を5回行っても妊娠できないのであれば、今後、人工授精では妊娠は難しいと考えられます。
即ち、卵を卵管采から卵管内に取り込めず、卵子と十分な数の精子が出会えない状態が推測されます。このような場合、精子と卵子を確実に出会わせる体外受精は有力な妊娠手段だと考えます。
子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)の大きさにもよりますが、核出術を行うと健常な卵巣実質が少なくなり、術後の卵胞発育が悪くなる可能性があります。
卵胞発育や採卵に支障がない程度の嚢胞であれば核出術せずに体外受精を受けることは可能と考えます。しかし、嚢胞が直径5cm以上で卵胞発育に支障がある場合や、嚢胞との位置的関係で採卵がしにくい場合は卵巣実質をなるべく多く残して核出手術をしてから体外受精を受けられるのが良いと思われます。

■ 不妊治療の経験がありません。 [掲載日]2010-03-04 12:50:09
    From:うさこ 様 [回答者]kaito
お問い合わせいたします。再婚どうしで2年以上経過し、現在42歳です。去年貴院の説明会に参加して、他の不妊治療で時間を費やしてもなかなか妊娠しない例もあることを知って、年齢もあるので
貴院での治療を考えようかと思っています。

前回の結婚で一度不妊の治療の受診をしましたときに、検査前に子宮癌検診で異常がみつかりその段階で治療を打ち切ってしまいました。
癌ではなく、子宮も温存でその後経過もずっと観察して異常はありません。

そんな状態だったので、不妊検査などはしていません。
貴院の受診される方の質問などでは他院での治療経験や、すくなくとも検査等をされている方ばかりですが、不妊検査の経験が無くても
よいのでしょうか?


回答:
もちろん問題ありません。他院で不妊検査や治療を受けたことがなくても当院を受診して頂いております。当院では必要な検査に絞って早期に行い、治療を開始します。
前回の結婚で妊娠されておらず、今回の結婚後も2年以上妊娠されない長期不妊であり、検査や治療の開始は早い方が良いと考えます。また、これまでの経過や現在42歳という年齢による卵子の質の劣化を考慮すれば体外受精を考慮に入れた治療も必要になると思われます。
現在のあなたの詳しい状態が分りませんので一度来院の上ご相談下さい。

■ 生理不順について [掲載日]2010-02-26 16:39:32
    From:HOSHI 様 [回答者]kaito
始めまして。今年40歳になります。過去に両側卵巣嚢腫の核出術を受けたことがあります。これまで、体外受精(ロング)を2回、顕微授精(ショート)を1回しました。すべて残念な結果となりました。ちなみに、一回目は14個採卵し、8個受精、2日目の卵を移植し、凍結した受精卵を自然周期で、5回の移植を行いました。2回目と3回目は、胚盤胞を専門とする別のクリニックで行いました。2回目は12個採卵し、4個受精、5日目の胚盤胞が1個とれて、すぐに移植、2回目は10個採卵し、6個受精、5日目の胚盤胞が1個とれて、すぐに移植しました。

2回目の体外受精を受けるまでは、31日周期で生理が来ていましたが、2回目の体外受精後から生理が35日、38日と周期がばらばらになり、3回目の顕微授精後から2ヶ月経つのですが、生理がまだ来ません。4回目は、夢クリニック様にお願いしたいのですが、生理が遅れているので心配しています。生理周期を正常にする治療は、行っていますか。

またホームページでは、良質な卵子を得るには、5ヶ月以上かかるとありましたが、良質な卵を得るための治療も行っているのでしょうか。

まとまりのない質問で申し訳ございませんが、お返事いただけたら幸いです。


回答:
過排卵周期では強力な排卵誘発により、卵巣に過大な負担がかかります。
あなたは両側卵巣の核出術をお受けになり、40歳という高齢因子も加わって、卵巣の予備能が低下しているところに体外受精の過排卵誘発がなされたため、誘発後の卵胞発育異常(排卵障害)からくるホルモン異常を招き、一時的な無月経を生じていると推測されます。
高齢者では過排卵周期よりも、自然周期や低刺激周期による体外受精が適していると考えます。
ホルモン状態(E2、LH、FSH、P4、βhCG)を検査しないと現在の状態について正確なことは言えませんが、βhCGが陰性ならピルで月経周期をリセットする必要があると考えます。
良好卵を得るために30歳台であれば、当院では通常、採卵周期前にピルによるカウフマン周期(調節周期:約2カ月)を行います。しかし、卵巣機能が低下した状態では卵胞発育が強く抑制されることがあり、ピルを投与できないこともあります。この場合には自然周期体外受精が適応となります。
卵巣機能の評価は抗ミューラー管ホルモン(AMH)や、月経3日目のE2・FSH・卵胞数を測定して行います。
あなたの現在の状態について詳しいことが分かりませんので、治療方針等については一度ご来院頂ければ相談させて頂きます。

■ 妊娠できる可能性。 [掲載日]2010-02-23 13:28:34
    From:りりこ 様 [回答者]kaito
はじめまして。今年33歳になります。
現在、右卵巣嚢胞、両卵管狭窄、右卵管采癒着、子宮内膜症、子宮腺筋症と診断されています。
自然妊娠はほぼ絶望的、体外受精に進んだ方が良いと現在行っているクリニックでは言われています。
しかし着床もしにくいかもと言われています。

貴クリニックではこのような症状がある場合、どのような治療をされますか?(体外受精できますか?)
また私のような場合、妊娠はかなり難しくなるのでしょうか?

ちなみに、主人の方は問題なしです。(フーナーテスト良好です。)

妊娠できる可能性があるなら、貴クリニックへの転院も考えています。
よろしくお願いします。

回答:
両側卵管に問題があるのでしたら卵管を使わない妊娠方法である体外受精が有効と考えます。あなたは33歳と年齢的にも若く、男性因子にも問題ありませんので、子宮内膜症性不妊でも体外受精で良好受精卵が得られる可能性は高く、妊娠するチャンスは十分あると思われます。
右卵巣嚢胞というのは子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)のことと思われます。
子宮内膜症の状態がひどい場合には腹腔鏡下に子宮内膜症性嚢胞の核出術をするか、アルコール固定で嚢胞を前処置し、卵巣の状態を改善してから採卵することもあります。
また、子宮腺筋症は受精卵の着床の妨げになることもあるのですが、体外受精で妊娠される方は多くおられます。胚盤胞を移植してもなかなか着床しない場合、腺筋症腫瘤の位置や大きさによっては腫瘤の縮小手術を行い、手術後の体外受精で妊娠される方もおられます。
あなたの現在の状態について詳しいことが分かりませんので、治療方針等については相談だけでも結構ですので一度ご来院下さい。

■ 男性不妊の場合について [掲載日]2010-02-03 07:40:23
    From:ゆりか 様 [回答者]kaito
初めまして。
他院にて不妊治療を行っている現在31歳のものです。
主人が無精子症で、MD-TESEにて精子を回収し、ストロー5本分凍結しました。
精子の状態は尻尾の短い(?)運動精子(運動力はやや弱め)と説明を受けています。
凍結したストローのうち2本は他院での2回の治療で使い、残りが3本になっています。
私は多嚢胞性ですが、
1回目のロング法では成熟卵が13個→受精卵7個→胚盤胞が1個→着床せず、
2回目のアンタゴニスト法では成熟卵が6個→受精卵4個→胚盤胞が0個でした。
(1回目ではOHSSを発症)
卵胞数に比べてとれる卵子も少なく(2回とも卵胞は30個ほどありました)、上記の結果を受けて卵の質が悪いと感じており、貴院の低刺激での採卵に興味をもち、転院も考えてます。
このような場合でも質のよい卵子をとることが可能でしょうか?
また、貴院ではどのような治療から始まる可能性が高いでしょうか?

凍結精子に限りがあるので、1回の精子融解時になるべくたくさんの卵子で受精させたいと思っているのですが、数がたまるまで卵子を凍結することはできますか?
もしくは一度回答した精子で使わなかった者は再び凍結というのは可能でしょうか?

また、受精卵の成長やグレードは卵子側の起因が大きいのでしょうか?

質問がたくさんになってしまいましたが、ご回答よろしくお願いします。

回答:
1.多嚢胞性卵巣は、新旧入り乱れた小さな卵胞が混在した状態と考えられます。
このため、良好卵の採卵効率や受精率が低くなります。
当院では不良卵胞を除去する目的でホルモン調節周期によるリセットを行っております。
これにより、その後の低刺激周期採卵で良好卵の収率向上が期待できます。

2.現在のところ、卵子凍結は未婚女性の白血病などで卵巣にダメージを残す癌治療などを必要とする方に対して将来の妊娠の可能性を残すために行われております。
ご提案頂いた方法は技術的には可能ですが、未媒精卵凍結・解凍時のダメージなどもあり、運動精子が得られ顕微授精が可能な方への不妊治療としては一般的には行われておりません。受精卵凍結される方が良いのではないかと考えます。現在ある凍結精子を使用しても妊娠できなかった場合、再度TESEを行える状態でしたら多くのストローに小分けして貯蔵しておくことをお勧めします。再度のTESEが可能な状態なのかなど詳しい条件が分りませんので、ご希望でしたらご来院の上、相談させて頂くことはできます。

3.一度解凍した精子の再凍結は可能ですが、解凍後には運動精子数はかなり減少するとお考えください。

4.受精卵の成長やグレードの良し悪しは卵子のみならず精子の側にも依存します。

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